プロ野球界を代表するアーチスト、西武中村剛也内野手(40)と巨人岡本和真内野手(27)の合同自主トレが7年目を迎えた。今年も12月、都内で行われた。

豪華トレには「よくばり君」こと西武渡部健人内野手(24)も参加した。2人の技術論に耳を傾けつつ、なかなかグイグイと欲張りには入っていけない。

「一緒に会話したいですもんね、(本塁打)30本とか40本とか。話に入れないです。全然分かんないです。30本の壁とかおっしゃってるじゃないですか。すごいですよね」

110キロ台の恵まれた体格からの放物線はアーチスト特有のもので、中村も「期待を込めて」とネクストブレイク候補に推す。それでも決定的な経験の違い、理論レベルの違いに、渡部は1歩引いていた。

「あのお話が実現できたらいいんだろうな、変わるんだろうなとは思います。でも難しいっす。簡単そうに話しているんですけど、体がそういうふうに動かないです」

桐蔭横浜大からドラフト1位で入り、来季はもうプロ4年目になる。今季は6本塁打。1位評価にふさわしい成績はまだ出せていないが、勝利直結の一打も出るようになってきた。

「自分の中では完璧に捉えられたホームランもありました。その時は強く振ってないんです。中村さんからもよく『全力で振らない』と話を聞くんですよ。8割で、と。でも速いまっすぐに負けないようにと思って10で行っちゃうこともあるんです」

いかに己を制御し、ぶれずに徹底していくか。「数字って大事ですよね。悔しいですね」。明るいキャラクターでサービス精神も旺盛ながら、根は純粋で負けず嫌い。数々の金言を糧に1年後、派手に笑いたい。【金子真仁】

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