中日が打撃向上を狙って今オフから新兵器を導入している。遅球打ちのためのロングスローボールマシンを2台、「置きティー」で自動的にボールがティーアップされる自動ティー打撃マシン3台を購入。ナゴヤ球場の室内練習場などに設置され、自主トレ中の選手たちに大好評だ。

ロングスローボールマシンは1台約55万円で、約15メートル先から球速約50キロと遅い球が出てくる。来季レギュラー取りを懸けるブライト健太外野手(24)は23日も練習し、「体をためて打つことができる。僕の場合は右足を残して打ちたいのでいい。ブレも少なくなる」と喜々として打ち続けた。今年1月にヤクルト塩見と行った自主トレで利用し、中日も導入したことを感謝した。

自動ティー打撃マシンは1台約40万円。ゴルフ練習場のレンジにある球を自動設置するマシンの野球版で、高さも自由に変えられる。練習のサポート役がいなくても打て、ブライトは「1人でも練習できる。1人でやる練習の選択肢が増える」と語った。

2年連続最下位に沈んだ中日のウイークポイントは4年連続リーグ最少のチーム得点だ。佐藤チーフスコアラーも「スローボールマシンは、ためて打つ練習になると首脳陣も歓迎した」と説明。宇佐見、川越、加藤翔ら他球団からの移籍組からの情報も導入に一躍を買ったという。マシンは2月からの沖縄キャンプに持ち込まれる。今オフは中田、中島、新外国人ディカーソンらの戦力補強が注目されるが、若竜らの技術底上げへ、新兵器もカギを握りそうだ。【伊東大介】

○…2機種の新兵器に加え、23日にはメジャーリーグも使用するピッチングマシン「スピニー」のテストが行われた。排出される球のスピード、回転数、スピンの方向を設定でき、投球の軌跡を精密に測れる機器「トラックマン」などで収集した投手の球を再現するシロモノだ。オーバースローからアンダースローまで球の出どころも調整できる。試打したブライトは「シーズン中の投手っぽい球を投げた。生きている球。カットボールもすごかった」と驚嘆。1台約150万円で、NPB12球団ではまだ導入した球団はないという。

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