虎の「小さな巨人」になれ! 阪神ドラフト1位の青学大・下村海翔投手(21=九州国際大付)がレジェンドから金言を授かった。都内のホテルで23日、東都大学野球の春秋リーグ戦と全日本大学野球選手権優勝を祝う祝賀会に参加。同大学OBで身長167センチのヤクルト石川雅規投手(43)から「おっきいやつに勝とうな!」と激励された。174センチ右腕が現役最年長を見習い「おっきいやつ」だらけの世界で勝負する。

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下村は、母校のレジェンドOBを前に、笑顔にあふれていた。大学3冠を記念した優勝祝賀会。22学年上の先輩、ヤクルト石川も出席していた。尊敬してやまない「小さな巨人」。会話を交わし、プロを生き抜くイロハを教わったルーキーは充実の表情を見せた。

「体が小さいことに対しての考え方を聞いたんですけど、『メリットしかない。自信をもって』と言われました。プロの舞台では基本的に僕よりデカイ人ばかり。『おっきいヤツに勝とうな』と言ってくれたのがすごい心強かったです」

NPBの野手は最長身2メートルを誇る巨人秋広をはじめ、190センチ台、180センチ台の大型選手がそろう。それでも1発の恐怖とも戦い、勝負して勝っていかないと生き残れない。だが、167センチにしてこの道を生き抜いてきた43歳の現役最年長選手からの金言は、これ以上ない勇気になった。

174センチと投手としては小柄な右腕にとって、野球の考え方も変わった存在だった。先週、青学大創立150周年を記念し、2人の対談が実現。質問攻めにした時、目からうろこが落ちた。「ストライクゾーンの中で勝負しろと言われて、考え方が変わった。今までは、きっちりという考えだった。でも、大胆にいく大切さ、真ん中でも自信を持って投げろと言われて、新しい選択肢が増えた」と目を輝かせた。

大先輩からは宣戦布告も受けた。スピーチで「来季は下村君、(広島ドラフト1位)常広君とマウンドとバッターで対戦するかもしれません。その時は是非、打たせてください」とニヤリ。右腕も「プロ野球選手はど真ん中でも打ち損じるとおっしゃっていたので、ど真ん中でいこうかな(笑い)」と負けじとかました。

プロ入りを前に貴重な時間を過ごした。オフも投球の引き出しを増やすため、練習に励む。「今までは『常広と投げ合いたい』とずっと言っていたけど、石川さんと早く投げ合えるように、新たな気持ちで頑張りたい」。どっしりと構え、息が長い虎の「小さな巨人」を目指す。【三宅ひとみ】

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