広島中村奨成捕手(24)が9日、鹿児島市内の最福寺で初めて護摩行に臨んだ。

約1600本の護摩木によって頭上高く燃え上がる炎の前で自身のふがいない、弱さ、悔恨を燃えつくすように約1時間30分、不動明王御真言を唱え続けた。

燃え盛る炎は高さ2メートルを超えた。苦しさに心が折れそうにもなったが、逃げなかった。「もちろんきつい。でも、こういうことから今まで逃げて来ていたんだなと、あらためて火の前に座って感じた部分はあります」。隣に並ぶ会沢の姿に引っ張られるように、声を張り上げながら炎と向き合い続けた。

「想像の倍以上きつかった。野球第一にもう1回考えたい。まだまだカープで野球がしたいですし、このまま終わってしまったら悔いが残る。ここをスタートとして、また今年1年間野球に向き合えるようにやっていきたい」

17年のドラフト1位で入団し、大きな期待を背負いながら結果で応えられていない。昨季は18試合の出場で打率1割5分に終わった。シーズン終了後、若手主体の秋季キャンプにも同行できず、成績も含め自分の弱さを痛感させられた1年だった。

シーズン終了後に自ら会沢に護摩行同行を志願した。7年目の今季は不退転の覚悟で臨む。「とにかく結果を残すために、何かを変えないといけないという思いが強かった。ここを経験して、変わった姿を見せたい」。ほおだけでなく首まで真っ赤になった姿が、逃げなかった証しだった。護摩行は11日まで続く。弱かった自分自身を焼き尽くし、勝負のシーズンを戦う強さを身に付ける。【前原淳】

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