ソフトバンク三森大貴内野手(24)が、15グラムの増量バットで150安打を目標に掲げた。9日、福岡・筑後市のファーム施設で本格始動。初々しい新入団選手の合同自主トレを横目に、新型バットでマシン相手に約1時間振り込んだ。「年末年始もバットは振っていたんですが、ボールを打つのは今日が初めて。いい感じで打てました」。額に汗をにじませ笑顔で話した。

重さを890グラムから905グラムに替えた新相棒の感触はまずまずだった。「スイングスピードが変わらなければ、(重量の)重い方がいい。多少打ち損じても、ヒットになる可能性がある」。昨季、三森の打球速度は最速171キロを計測。スイング速度120キロもチームでは上位だ。「(スイングスピードも)変わらなく振れていると思う。今年は150~160安打は打ちたいし、本塁打も15本は打ちたいですね」と早くも手応えを感じている。

悔しさをバネにする。契約交渉は1度保留したが、200万円減の年俸4300万円でサイン。昨季は自己最多タイの102試合に出場し、打率2割6分、5本塁打、21打点の成績を残したが、開幕に出遅れ二塁定位置取りを確定できなかった。「今年は開幕からしっかり出て、やるつもりです。昨年の失敗をいい意味で生かせるようにしたい」。先輩牧原大が今季は「二塁一本」での勝負を明言。レギュラー争いは厳しさを増す。「そこはあまり気にせず、自分のことをやって開幕を迎えたい」。8年目の飛躍へ--。「軍師」と呼ばれる男はしっかりと視線を据えた。【佐竹英治】