“マイ治療士”つけて大記録に挑む。日本ハム宮西尚生投手(38)が10日、兵庫・芦屋市内での自主トレを公開した。今季目指すのは3シーズンぶりの50試合登板と残り7に迫った前人未到の400ホールドだ。疲労回復のため、電気治療術を行うスタッフと新たに個人契約。年間通してコンディションを維持し、チームの優勝と、自らのミッション達成につなげる。

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プロ17年目は、全速力で1シーズン走り抜く準備を整える。宮西はチームメートの堀らと4人で、恒例の走り込み中心のハードな練習に励んだ。この日は設定タイムを設けた100メートル走を15本。「ここっていうしんどい時がシーズンに何回かある中で、こういうことで僕は乗り越えられるっていうふうに思っている」。学生時代から走って鍛えてきた鉄のメンタルが、長い現役生活を支えてきた。

精神力だけではどうしようもできない「年齢」の壁は、新たな策で乗り越える。昨季終盤、疲労の影響で状態を維持できなかったことも踏まえ、今季は専属スタッフと個人契約し、定期的に電気治療を受ける準備を進めている。「納得できるケアがすぐできることが大事」。昨季は特定の治療士のもとへ足を運んだが「朝から晩までやっている人で予約を取るのも大変」。そのために自腹で数百万円の電気治療器具を購入し、使用法を学び、契約した治療士に教えて施術してもらう方向で、詰めている。

目指す目標は明確だ。400ホールドまでは残り7。「何とか達成したい、しないといけない。自分のためっていう感じじゃない。期待してくれている人のために」。3シーズンぶりの50試合登板に向けても「ここ2年50試合を切っている。覚悟してやりたいというのは自分の中で決めている」と強い口調で話した。

最初の実戦登板は2月の沖縄キャンプ終盤を予定。「(手術明けの)去年はキャンプから実戦でいつでも投げられますよ、ってしたんですけど、今年はキャンプからキレを出して実戦に向けていく。去年よりはゆっくりやけど手術する前よりかは早めには仕上げたい」。現状を冷静に見極めながら、完全復活への道を切り開く。【永野高輔】