阪神坂本誠志郎捕手(30)が11日、甲子園で自主トレを公開し、1月中から鳴尾浜球場で新人投手のチェックに励む考えを明かした。1人で自主トレを行う今オフは「スパイクを履いて動きたいので」2軍施設の鳴尾浜にも足を運ぶ予定。新人合同自主トレ真っ最中の同球場で、意欲を見せたのはドラフト1位下村らの直接チェックだ。

「投げているのを見て、雰囲気を感じたい。キャンプに入って『こうだと思っていたのが違った』というのも大事。あまり持ちたくないですけど、先入観を持つことで発見も増える」

すでに映像でチェックを終え、制球力やゲームメーク能力、身体能力の高さは把握済み。それでも日本一捕手という立場にあぐらをかかない姿勢が、妥協なき準備で知られる坂本らしい。「(捕手が)こう考えているなと思って投げてくれると違う。そういう関係性がいち早く2月とかで作れたら」。キャンプ中から密に意思疎通を図るためにも、労を惜しまず鳴尾浜を利用するつもりだ。

背景には今季も繰り広げられるであろう激しい正捕手争いが存在する。昨季前半戦に主戦捕手だった梅野はシーズン中に死球で左尺骨を骨折したが、2月のキャンプインには間に合う見込み。先輩とのハイレベルな戦いに向けて、1日も無駄にはしていられない。

「自分は開幕戦に出たことがない。どんなものか感じてみたい。優勝、日本一で知らないことを経験した。もっと他にも知らないことがあれば経験してみたい。(自分の)幅も広がっていくと思うので」

この日はランニングや階段ダッシュで約4時間に渡って汗を流した。沖縄で技術練習に時間を割くためにも、キャンプまでは走り込みなどでの体力面を仕上げる予定。一切の慢心もなく、開幕マスクをもぎ取りにかかる。【波部俊之介】

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