ソフトバンク甲斐拓也捕手(31)が13日、大分市内で自主トレを公開し、異例の「ゴルフノック」で体をいじめ抜いた。

午前中、ホームに人工芝のマットが敷かれた。ピッチングウエッジを手にしたプロゴルファーの阿部未悠(23)がゴルフボールをセット。左翼から右翼へ、右翼から左翼へ、100ヤードほどの飛球をテンポ良く打ち上げた。いわばゴルフ版のアメリカンノック。甲斐が「ゴルフボールを受けたことはない」と断言した珍メニューには当然、意図がある。「ボールが小さいので最後まで見ないといけない。集中力にもつながる。何よりも楽しいですよね」と笑みを浮かべた。

阿部は22年にホールインワンも達成した有望株。甲斐も「ノッカーが打つよりもミスはない。安定してね」と感嘆する正確無比な技術で選手を追い込んだ。ノック役は「いろいろ意地悪というか、(打球を)ばらけさせながら」とニヤリ。「自分の打つ球をイメージして打たないといけない。ぶらすと危ないので集中しました。こっちとしてもいい練習になった」と充実の汗をぬぐった。

異色のコラボは平成唯一の3冠王としても知られる松中信彦氏を介して実現した。甲斐は「競技は違いますけど、女子プロの方と一緒に練習できることは、僕らにとっても刺激にはなる部分がある」と充実感たっぷりだ。団体競技の野球に対し、ゴルフは個人競技。1人で戦うメンタルに興味があり「ここまでやってダメなら…と割り切る気持ちも大事だと(阿部は)言っていた。そういう気持ちの持ちようはすごく大事」と新たな発見に納得した。

今季の個人目標に「エンジョイベースボール」を掲げる甲斐。「野球を楽しめる自分でありたい。捕手として優勝できていない責任はありますけど、全てを背負い込むのではなく割り切っていくことも大事」。楽しみながら自分を追い込み、新境地から4年ぶりのV奪還に導く。【佐藤究】

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧>>