バンカラに送り出された。巨人阿部慎之助監督(44)が20日、都内の母校・中大で「監督就任を祝う会」に出席。OB192人が参加し、学ラン姿の現役応援団によるしゃがれた声、硬式野球部OBOG会長で元巨人末次氏による万歳三唱ならぬ“最高三唱”がこだまする中、強烈な後押しを受けた。阿部監督は「がっつりきたよ。本当にありがたい、そのひと言。頑張りますよ」と力に変える。

「昭和だって大事なんだよ」と、あるOBから声をかけられた。春季キャンプの振り分けが発表。昨季頭角を現した秋広の1軍スタートは既定路線だったが、少しだけ悩んだ。「3軍にしようかと。ちょっと遅刻が2回くらいあって」。オフ中、行事に遅れる姿があった。「遅刻するって一番信頼失うからね。1軍スタートさせてあげますよ。ダメだったらお隣(3軍キャンプ地)都城いってください。人としての成長を監視しておきます。誰か特大目覚ましでも買ってあげて」と身長2メートルに合わせたアラームを注文。スローガン通り「新風」を吹き込むと同時に、古き良き時代の厳しさは大切にする。

会の途中、父東司さんからの手紙が代読され、花束贈呈では担当スカウトで18年に亡くなった中村和久スカウトのさよ子夫人が登壇。会場にはプロ入り直後の若き日の映像が映し出された。昭和に生まれ、平成に生きた男は、締めの言葉で言い切った。「とにかく巨人が変わったといっていただけるようにジャイアンツの優勝、日本一に向けて僕がかじを取っていきたい」。新たな時代を阿部色に彩る。【栗田成芳】

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