スタートからアピールしまくり、初の開幕スタメンを狙う。日本ハムの春季沖縄キャンプ1、2軍振り分けが20日、発表され、6年目の田宮裕涼捕手(23)が、初めて1軍スタートになった。昨季はリーグ中盤まで2軍暮らしも、9月22日の1軍昇格以降、初本塁打、初決勝打など、勝負強い打撃でアピール。万波、野村らと同学年の“遅れてきたミレニアム世代”が、最後方から巻き返す。

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田宮がライバルを“ごぼう抜き”して、開幕スタメンマスクを狙う。まずは1軍キャンプスタートが決定。新人捕手の進藤勇也(21=上武大)も1軍スタートが決まったが「進藤も1学年しか変わらない。5年間、捕手の末っ子やってきたので今年もほぼ末っ子みたいなもの。元気を出しつつ、たくさんアピールしていきたい」と意気込んだ。

一昨年はオープン戦期間に1軍合流も、開幕前に降格してしまった。「そのときよりはだいぶ1軍で勝負できると思っている」。昨季は2軍で春先からコンスタントに試合に出続け自己最多の91試合出場。9月の1軍昇格後は同25日の楽天戦で田中将からプロ1号を放つなど10試合で9打点と、1軍でも勝負強さを発揮した。「体力の面も技術面も、一昨年よりも全部、成長している」。今季、一気にギアを上げ、レギュラー奪取につなげる。

万波、野村らと同学年のミレニアム世代。1軍キャンプスタートまでに時間がかかったが、気にしてはいない。「自分はレベルが足りないなとは思っているので。同期が先に1軍だったからといって“やばいな”とか思ってなかった」。身の丈に合った成長曲線を思い描き歩んできた成果を、ここから示していく。

10月のフェニックスリーグ阪神戦でマスクをかぶると、セ・リーグ盗塁王の近本、同2位の中野の二盗を指すなど強肩「ゆあビーム」も大きな武器だ。オフの仕上がりについて「ぜんぜん悪くない。動けているので。打つ方も感じは去年からずっとキープできている」と、打撃面の準備も順調に進めてきている。

黒かった髪を、秋口に紅葉のように茶色に染めイメチェンスタート。昨年末には前髪だけ部分的にブリーチし、明るくした。「沖縄に行く前に1回、また黒くしようかなと」。1軍スタートの捕手は、昨季より2人多い6人とポジション争いは激しい。髪色よりも、まずはプレーで目立ち、首脳陣のハートをわしづかみする。【永野高輔】

【一覧】プロ野球12球団春季キャンプ 1、2軍メンバー振り分け