阪神の沖縄キャンプで臨時コーチを務める鳥谷敬氏(42=日刊スポーツ評論家)が佐藤輝明内野手(24)に三塁の「短期集中講座」を施すことを明言した。昨年に続いて3日間の指導を予定。昨年、内野手3人(大山、中野、木浪)がゴールデングラブ(GG)賞を受賞した「黄金の内野陣」の中で、三塁だけは取り逃した。遊撃、三塁でGG賞経験のある鳥谷氏はすでに改善点のイメージができている。自身の三塁へのコンバート経験も踏まえて奥義を注入する。

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鳥谷氏は2年前の沖縄キャンプで初めて三塁手・佐藤輝を本格チェックした。早々に指摘したポイントが「ボールを捕る動作と投げる動作が別々に分かれてしまっている」だった。「『投げるために捕る』ことが重要。もともとハンドリングがうまく肩も強い。練習から捕球する際の体の向きを少し意識するだけで、送球の安定性をアップさせられる」と力説。今春も「『捕る』『投げる』を一連の動作で」は注目の指導ポイントとなりそうだ。

23年2月の臨時コーチ時は虎ナインに脱力の重要性も説いていた。「緊迫した場面はいやでも力が入る。より上体の力を抜いて下の力で野球ができるように」。硬くなった体に打球が当たると、ボールは大きく跳ねてしまう。「いかに体の近くにボールを落とせるか」もポイントの1つになるかもしれない。

自身が遊撃から三塁に転向した17年には元ヤクルト宮本慎也氏(日刊スポーツ評論家)から金言も受け取っている。「サードは打ってから動く、ぐらいじゃないと、打球に対して詰まってしまう。打球を見てから動く、ぐらいでいい」というアドバイスも伝授される可能性がある。【野球デスク=佐井陽介】

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