どすこいには負けない!ソフトバンク中村晃外野手(34)が23日、福岡市内で自主トレを公開。西武からFA権を行使し、ホークス入りした山川穂高内野手(32)との一塁のレギュラー争いにも「守備もそうですが、打つ方でしっかり成績を残す」と意気込んだ。通算1500安打に残り113本と迫る。一塁手として4年連続ゴールデングラブ賞を受賞した打撃職人が定位置を死守し、チームをけん引する。

博多湾からの寒風が、小雪を乗せて吹き付ける。中村晃は室内練習場でのアップを終えると、グラウンドに出て外野ポール間を懸命に走った。福岡も、年明け一番の寒波に見舞われた。強烈な向かい風は、今季の中村晃の立場を象徴しているかのようだった。

「1年間、試合に出続けられるように。しっかり成績を残せるようにやっていきたい」

3度の本塁打王に輝き、通算218本塁打の山川がFA移籍。強烈なライバル出現にも、中村晃は動じるそぶりはない。山川入団の心境を問われ「(FAの人的補償で僕が)西武に行くんじゃないかなとかも思ってましたけど」と苦笑いし「やることは変わらない。山川選手がどうとかっていう感じでもないのかなと思います」と表情を引き締め直した。

通算1500安打に残り113本に迫った。昨年140安打を放った中村晃にしてみれば、常時試合に出れば今季中にクリアできる数字。昨年からすり足打法に打撃フォームを修正。さらなる打撃向上へ手応えを得て、プロ17年目のシーズンに挑む。「(打撃は)ましにはなったかなと。もっと上を目指してやっていきたい。1500安打は目標にしたいし、キャリアハイを目指して行ければ」。14年には176安打で最多安打のタイトルを獲得。打撃職人は、さらなる高みを目指すつもりだ。

自主トレ序盤に腰を痛めたが、8割方は回復。満足いく練習量は得られなかったものの、焦りはない。この日も室内練習場で計2時間、快音を響かせた。「まだ1週間くらいあるし、不安はなくなってきた」。本職の一塁守備では、4年連続GG賞を取った。一塁で5年連続なら、リーグ初の快挙。ポジションは一塁&外野の「二刀流」の準備を怠らないが、定位置を譲るつもりはない。「しっかり試合に出ること」。短い言葉にレギュラー死守の決意を込めた。【佐竹英治】

◆パ・リーグ一塁手のゴールデングラブ賞5年連続受賞 パ・リーグでは5年連続受賞はいない。回数でも5度が最多で清原和博(西武)と小笠原道大(日本ハム)のみ。一方セ・リーグでは、王貞治(巨人)が9年連続で最長。中畑清(巨人)と駒田徳広(巨人→横浜)が7年連続と続く。回数も駒田の10度が最多。

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