阪神原口文仁内野手(31)が27日、神戸市の「チャイルド・ケモ・ハウス」を訪問し、寄付金を手渡した。

同施設は小児がんなど小児慢性特定疾病で長期入院している子どもと、その家族が過ごせる滞在型の療養施設。ユニホーム姿で病気と闘う子どもとキャッチボールなどで交流した。

今月で大腸がんの手術から5年が経過。23日の診察で「完治」を告げられていた。子どもらからは昨年の日本一と、完治の両方に対して「おめでとう」と祝福された。

「手術から5年たって、完治したということで、本当にみなさんにいい報告ができた。少しでも力になれたらなという思いで頑張ってきたので。すごく、この5年は大きいなと感じています。1軍の舞台で結果を出して、皆さんに、いい姿を見せることが僕の中の使命の1つ。元気な姿で明るい話題を届けて、活力になれるように一生懸命に取り組んでいきたいです」

原口は19年1月に大腸がんの手術を受け、そのシーズン中に復活を果たした。同11月に施設を初めて訪問し、寄付金を手渡して以来、交流を続けている。新型コロナがあったため、これが2度目の訪問だった。「久しぶりに訪問できて、みんなが少しでも病気を忘れて、楽しめる時間を作れたらと思っていた。触れ合うことができてよかったと思います」と振り返った。

コロナ禍の間は、直接訪問できなくても施設とは交流を続けた。手紙や応援ボードも受け取った。22年には社会貢献活動に励む選手を球団が表彰する「若林忠志賞」を受賞した。今回は同賞の活動支援金の一部50万円と、昨季成績に応じた18万円(10安打、8打点)の計68万円を寄付した。

「完治はしましたけど、病気を経験して、患者さんの気持ち、ご家族の気持ちというのは、自分なりには経験したと思っている。完治を迎えたからというのは関係なく、今後の人生でやれることはたくさんあると思うので、続けていきたいなと思います」と、活動の継続にも意欲的だった。

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