日本ハム清水優心捕手(27)が“アニキ”の強い意志を刺激に、定位置奪取を狙う。28日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレを行った。今季は2シーズンぶりに1軍キャンプスタート。「自分がやってきたことを出すだけ。自分に集中してキャンプをやっていけたら」と意気込んだ。

レイズとマイナー契約した上沢直之投手(29)とは、計76試合と最も多くバッテリーを組んだ。21年には12勝のうち10勝に貢献するなど“女房役”として、ともに戦ってきた。移籍決定直後にSNSで「めちゃくちゃ寂しいですが、応援しまくります」と反応も「直接のやりとりはまだ。上沢さんも忙しいと思うので。ゆっくりしてからキャンプ中ぐらいにでも、送ろうかなと思います」と、しみじみと話した。

上沢が昨年12月に渡米する直前にエスコンフィールドで“別れ”のあいさつをかわしていた。「行くんすね…めっちゃお世話になりました」と伝えると、上沢は「ありがとう」。契約が決まるか分からない状況だったが、清水は「どんな契約であろうが、行く覚悟は、あの人の中に見えた感じがしたので」。そして「最初は行って欲しくないなという気持ちはありましたけど」と、本心も吐露した。

寂しさの半面、野球選手として高いレベルにトライし続ける先輩の情熱に感じるものがあった。「僕は1ファンというか、上沢さんて、向こうでどれぐらいできるんだろうっていうのを見てみたかった。すごく応援ていうか。あの人だったらやりそうだなって感じは見える」と期待した。

メジャー契約のオファーもあった中で、マイナー契約を選んだことにも刺激を受けた。

清水 上沢さんらしいじゃないですけど、お金とか安泰を選ぶより、行くならチャレンジャーみたいなところを見せてくれた。もちろん大変だと思うんですけど、そういう気持ちが大事なんだなって言うのは思って、記事を見ていました。あの人は野球人として、人としても本当に誰もがリスペクトできる。そういういいところをマネじゃないけど、参考じゃないですけど、リスペクトしてたところを、いいなと思って、やっていけたら。

何度もバッテリーを組み、間近で見続けてきたからこそ分かる“上沢イズム”を、これからの自身の成長に、生かしていく。

清水 あの人は、なんやかんや周りのことも見えているけど、自分のことをしっかりやるっていう。僕もいろいろと言われますけど、まず自分のことをしっかりやって。キャッチャーはチームのことも考えないといけないっていうのはもちろんありますけど。そういうことばっかり考えて自分のことが後回しになっちゃうと意味ないと思うので。

21年に100試合出場とレギュラー級の活躍をしたが、一昨年は30、昨季は32試合と出番が減っている。節目の10年目。荒波に飛び込んだ先輩の芯の強さを自らにも植え付け、再ブレークにつなげる。【永野高輔】

 

◆上沢-清水バッテリー(計76試合)

17年 2試合

18年 25試合(全試合)

19年 6試合

20年 12試合

21年 18試合

22年 5試合

23年 8試合

 

◆上沢の相棒ランキング(先発マスク)

<1>清水 76試合

<2>市川 21試合

<3>宇佐見 20試合

<4>大野奨 16試合

<5>近藤 11試合

<6>伏見 11試合

<7>鶴岡 6試合

<8>石川亮 5試合

<9>古川 3試合

<10>マルティネス 3試合

※上沢の通算登板数は173試合(先発172)。上沢の全登板のうち、4割以上を清水が受けてきたことになる。