虎が「併殺王国」になる。日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)が阪神キャンプ臨時コーチ最終日となった8日、二遊間の「併殺奪取力アップ」へ総仕上げを行った。木浪、中野、植田が参加した特守では二塁送球の極意を伝授。最後は室内練習場で木浪と二塁へのトスのポイントをすり合わせ、3日間の臨時コーチ期間を終えた。

守備陣は昨季、両リーグ最多の130併殺を奪った。セ・リーグ3位だった22年の117併殺から大幅に増やした形だが、レジェンドOBはさらなる進化を期待する。「1つでも多くダブルプレーを取ろうというのは、二遊間がやめるまでずっと考えないといけないこと。速く速く、というのはずっとテーマになる」。大先輩の思いはきっちり後輩に伝わったようだ。

練習後、木浪は表情と言葉の端々から充実感を漂わせた。鳥谷氏のコーチ期間終了直前まで、二塁手が見やすい体全体でのトスを反復練習。「今まではいかに速くセカンドに渡すかだけを考えて、ボールに回転がかかってしまっていた。回転がかかると二塁手は準備ができずビックリする。自分がどれだけ速くトスしても二塁手が差されたら成立しない。速く正確に渡せるように」と納得顔だ。

2年連続で臨時コーチを務めた鳥谷氏は、昨季ともにゴールデングラブ賞を獲得した木浪、中野の二遊間コンビを「かなりレベルアップしている」と評価。一方の木浪は「もっと増える」と併殺奪取力アップに自信をのぞかせ、「鳥谷さんに教わったことをしっかり続けていきたい」と目をギラつかせた。【佐井陽介】

【キャンプ写真特集】ドアラ先生?!今日も朝から色々あります!/撮るキャン!

【キャンプ写真特集2】吉田輝星・根尾昂、いっぱい投手が投げてます!/撮るキャン!