もっと大人の投球せえ! 阪神岡田彰布監督(66)が11日、守護神候補の湯浅京己投手(24)に超猛ゲキを飛ばした。今キャンプ初実戦となる沖縄・宜野座での1、2軍合同紅白戦。5回裏に紅組3番手として登板すると、3連打を浴び1回1失点だった。指揮官は「今日のやったらしんどいな」と厳しい評価で、期待をかける男に心の成長を求めた。

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岡田監督は、センター方向をチラリと見る湯浅が気になった。「湯浅だけやな、初球から球速ばっかり見とったんな」。今季初実戦となった紅白戦。球場表示で最速154キロを計測したが、指揮官の評価対象はスピードガンではなかった。

「落ち着いて投げえって。後ろは喜怒哀楽出したらあかんてなあ」

紅組3番手として登板。森下、渡辺、島田に3連打を浴び、1イニング1失点。試合の勝敗を握る9回を託す男には特に、相手へ隙を見せてほしくない。そんな思いから、ポーカーフェースで仕事を全うすることを望む。「あかんやろ。ブルペンでも全然ストレートいってないやん。今日のやったらしんどいな」とバッサリだ。

湯浅は昨年6月3日のロッテ戦(甲子園)で失点し、地面に帽子をたたきつけている。「グラウンドに帽子を投げてるようなピッチャー、俺は使わへんよ」。オフには24年シーズンに向けて「一番の新戦力は湯浅やで」と語っていた通り、その実力を認めているからこそ、心の成長を求める。

「悔しかったら打たれんように投げたらええねん。(守護神を)やるんやったら、その辺から。何キロ出たから抑えられる、じゃない。WBC選ばれたらクローザーちゃうで。勘違い。俺はずっと思ってるよ」

昨季セーブ王の岩崎への信頼は厚く、今キャンプは2軍スタートで調整を任せている。湯浅はそこに挑む形だが「そんな簡単にクローザーなんかできへんよ。あのポジションだけは」と岡田監督の視線は厳しい。昨季も開幕は守護神で起用したが、その前年に28セーブを挙げていた岩崎という後ろ盾があるからこその選択だった。

右腕は「感覚的には悪くなかった。打たれたのは悔しいですけど、試合を重ねて精度を上げていきたい」と前を向く。今オフは2度の米国でのトレーニングを経て、上げた左足を止めずに一連の動作で投げきる新たな投球フォーム習得に着手している。心身ともに、まだまだ進化できる。【中野椋】

◆湯浅の帽子投げつけ 23年6月3日ロッテ戦(甲子園)で起こった。5-2の9回にマウンドへ上がったが、3点のリードを守れず。失策と安打で1死一、二塁のピンチを招くと、岡に左翼線適時打を許して2点差。続く藤岡に右前への2点適時打を浴びて同点とされた。その後の失点は防いだが、マウンドを降りる際に自分の帽子を地面にたたきつけてほえた。シーズン11試合目登板での初失点に悔しさをあらわにした。

【阪神紅白戦】24年チーム1号はミエセス/詳細