今度こそ「定位置」にする。日本ハム野村佑希内野手(23)が12日、韓国サムスンとの練習試合(沖縄・赤間)に「4番三塁」で先発し、2安打3打点とアピールした。11日の楽天戦(名護)でも先制打を放っており、対外試合2戦連続の打点をマーク。昨季は開幕を4番三塁で迎えたが、守り切れなかった。今季再び、奪還する。

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チャンスに強い。野村は2点を先行した3回2死三塁の第2打席、1ボールから三遊間を抜く左前打で3点目を追加した。一塁上で手をたたく。さらに5回無死満塁で迎えた第3打席。今度は左腕から2点中前打を放った。成績とは裏腹に「今日はあんまりよくない」と振り返る。だが「結果として、いいのが出たと言ってもらえるのは自分の中ではプラス」と前向きに捉えた。

11日の楽天戦でも1回2死一、二塁から先制中前打を記録した。7日に北浦から“今季1号”を放つなど、紅白戦は4試合中3試合で安打。新庄監督は「打つね、いい感じですよね。どんなピッチャーだろうが、打点を稼ぐというところで、さすがですよね」と勝負強さを認めている。

シーズンに入れば、結果を出すことが何より大事。でもこの時期は、まだ内容にこだわれる。タイミングの取り方、手を出す球の見極め。野村はバットを小指から握っていく。右手の人さし指と中指を立てたまま構えるのは今季から始めた。「押し込める感覚がよかったので続けています。右手の使い方が下手くそなので、力を入れすぎないように」。うまく力が伝わる感覚がある。

「4番三塁」は取り返したい場所だ。昨季開幕でつかんだポジション。調子を落とし、シーズン途中で明け渡すことになった。清宮が負傷離脱し、三塁については「ずっと守ってきたのは僕」と意地をのぞかせた。打順は今の時点では、気にしない。「打席でどれだけのパフォーマンスができるかに集中して、シーズンが終わる時にその場所にいられればいいなと思ってます」。開幕4番ではなく、最後まで4番。目指すところは1年前より高い。【鎌田良美】

▼日本ハムの三塁手争い 清宮が先乗り自主トレ中に左足を捻挫して離脱。9日の紅白戦でも本塁打を放った野村を筆頭に、加藤豪、水野、細川、本職が捕手の郡司、3日の紅白戦で今季チーム1号を放った3年目有薗らで争っている。

▼日本ハム野村の昨季 新球場エスコンフィールドの公式戦初開催となった3月30日の開幕戦(対楽天)に「4番三塁」で出場。だが5月末時点で打率2割4分3厘、5本塁打と不振で、6月以降は6番や7番を打つことが多くなった。さらに7月には2軍落ちも経験。結局打率2割3分6厘、13本塁打と不本意な成績に終わり、4番での出場も47試合にとどまった(チームトップは万波の49試合)。

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