ソフトバンク城島健司球団会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーター(47)が13日、正捕手争いの激しいバトルを期待した。強化指定選手の谷川原健太捕手(26)には連日のアーリーワークで城島塾を開校。谷川原は宮崎キャンプ2度目のシート打撃で2安打を放ち、早速効果を発揮した。同じく正捕手を目指す海野、吉田もそれぞれマルチ安打。若鷹トリオが甲斐拓也捕手(31)の牙城を崩しにかかる。

   ◇   ◇   ◇

城島氏は胸を躍らせてキャンプ指導を終えた。俊足巧打の谷川原に対し、長年スタメンマスクをかぶってきた甲斐を脅かせる存在だと認めた。「キャッチャーとしてこのチームに入ってきたのであれば、うちの一番いいキャッチャーにチャレンジしないといけない。その能力があるから強化指定選手になる力がある。いい勝負をしてほしい」。言葉には熱がこもっていた。

ユーティリティープレーヤーだった谷川原は今季から捕手に専念する。今キャンプは周東とともに強化指定選手に指名され、城島氏から連日アーリーワークで指導を受けた。「彼には足と打撃がありますから。甲斐とはまた違うアピールの仕方がある」。そう力説するように、通算191試合出場のうち54試合が代走起用されるほどの俊足を持つ。城島氏は「走れるキャッチャー。将来は20盗塁、30盗塁をしてくれるんじゃないかと期待してます」と太鼓判を押した。

谷川原は21年にプロ初出場で初安打&初本塁打を記録している。パンチ力も魅力の26歳だ。前日12日のシート打撃では右越え三塁打を放ち、この日も2打数2安打と絶好調。城島氏からは「おまえと海野が頑張らないと勝てない」とハッパをかけられたそうで「そう言われてうれしかったです。そのつもりで一生懸命頑張りたい」と口元を締めた。昨季よりスイングをコンパクトに変え、より確実性のある打撃を目指している。小久保監督も「明らかにバッティングは良くなった」とうなずいた。

開幕スタメンの最有力候補は甲斐だが、現在は体調不良明けで別メニュー調整中。絶好のアピールチャンスで、谷川原が城島塾の効果を発揮した。新生小久保ホークスの正捕手争いが激しくなりそうだ。【只松憲】

◆捕手の盗塁 過去にシーズン30盗塁以上した捕手は、40年吉原(巨人)30盗塁、52年荒川(大洋)32盗塁の2人しかいない。荒川は50年に松竹でも25盗塁するなど、通算122盗塁。パ・リーグ捕手では84年伊東(西武)の20盗塁が最多。伊東はシーズン2桁盗塁が5度あり、捕手で通算1000試合以上出場した選手の中で最多の134盗塁している。

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧