虎の背番号127が躍動した。育成左腕の阪神川原陸投手(23)が、またもアピールに成功だ。

2軍キャンプから招集され、20日に行われた1軍練習試合のサムスン戦(宜野座)に先発。力強い直球を軸にスライダーなどの変化球も効果的に配し、20年東京五輪代表の姜珉鎬(カンミンホ)捕手(38)に左翼線に浴びた二塁打1本に抑えて3回無失点。2つの三振も奪い、充実の笑顔だ。

「練習でしっかりやってきたことを出そうと思っていた。腕も振れていたので、良かったと思います」

唯一招いたピンチは2回2死二塁。6番打者に対してフルカウントから首を振り、「一番勝負できる球」と昨年から磨きをかけ続けてきた真っすぐを選んだ。143キロの速球で押し込み、中飛に打ち取った。「真っすぐの感覚は投げていて良かった」と納得顔だ。

18年ドラフト5位で入団したが左肩の故障もあり、21年オフに育成契約になった。だが故障も癒え、今年初登板した12日の紅白戦で2回1安打無失点。支配下復帰を目指し、2戦2安打0封と結果を出し続けている。岡田監督も高評価だ。

「全然悪ないやんか、別にな。支配下とかそういう問題じゃないけど、良くなってきていることは確かやからな。去年の秋のキャンプの時からな。ストレートも速なっとるもんな。コントロールもようなっとる」

今後は再び2軍での登板に向かう見込みだが、指揮官に川原の名前をしっかり印象づけた。川原も「立場が立場なので。毎試合毎試合、常に最後だと思ってやっていきたい」と気合十分だ。2桁背番号への返り咲きを目指し、1球も無駄にはしない。【波部俊之介】

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