オープン戦初戦から雷が落ちた。阪神岡田彰布監督(66)が23日、開幕戦前哨戦に敗れた直後に激怒した。巨人とのオープン戦(那覇)は4-9で今年の対外試合初黒星。1回4安打2失点と打ち込まれた湯浅京己投手(24)の2軍降格を試合中から決断するなど、怒りは止まらなかった。2年連続リーグ優勝、日本一へ、さらなる底上げが必要だと感じているからこそ、調整期間も妥協はしない。

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岡田監督の怒りは止まらなかった。報道陣に囲まれながら帰路に就く車に乗りこんでも、感情は収まらない。後部座席に座ると、かぶっていた帽子を座席にたたきつけた。

矛先は、この春ずっと調子が上がらない湯浅だった。「ずっと言うてるやんか。そんなの。そら当然、ブルペンを見たらわかるやん。ずっと言ってるで、キャンプの初日から。そうやろ?」。強い口調でまくしたてた。

4点を追う7回に登板し、先頭から3連打。1死満塁では育成選手の中田に146キロ直球を中前にはじき返された。1回4安打2失点。指揮官はさらに語気を強め、すぐさま2軍降格を明言した。「明日から2軍やん。投げてる最中に言うたよ。だってそんなん無理やん。去年より悪いやんか。ボールの走りからのお。WBCから帰ってきた時より悪いよ」。オフから「一番の新戦力は湯浅やで」と期待してきたが、背信投球の連続に我慢ならなかった。

今キャンプ初実戦となった11日の紅白戦は3連打を浴び1回1失点。「グラウンドに帽子を投げてるようなピッチャー、俺は使わへんよ」。昨年6月3日ロッテ戦(甲子園)で失点し、地面に帽子をたたきつけた場面を引き合いに苦言を呈した。18日の練習試合・広島戦は1回を3人で抑えたが「広島なんか2軍みたいなメンバーで、そないしてボール球ばっかりで抑えたけど、そんなん分かるやん」と信頼は戻らなかった。

試合後の湯浅は静かに自身の現状を語った。「指先の感覚とかは悪くない。もっと下半身も使えてきたらもっと良くなると思う。全身を使って投げられるようにならないといけない」。時間がかかるかとの問いに、岡田監督は「そら、もうかかるやろな」と言い切った。指揮官の言葉を受け止め、2軍から再スタートを切るしかない。【磯綾乃】

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