円熟味を増すヤクルトのベテランコンビが、オープン戦初戦の阪神戦(浦添)で際立った。0-0の初回無死一塁。42歳青木宣親外野手が、外寄り110キロカーブを右前に運んだ。一、三塁と好機を広げ、決勝点を呼び込んだ。握りしめていたのは、球界最年長44歳の石川雅規投手(44)のバット。「(石川さんが)使え、使え、うるさいんですよ(笑い)。これじゃ打てないって言っていたんですけど、めちゃくちゃ良かったですって謝りました。今日も石川さんに『俺のバット使ったって言え』って言われて」と先輩の“セールス”に感謝した。

10日ほど前から“押し売り”されていた。重さは880グラムほど。青木が使用していたバットと大差はない。ただ、形状が少し違うため、重さの感じ方が違うという。「軽くも感じるんだけど、何て言うか、自分はヘッドの重さとかを感じながら、軽いバットがいいところがあって」と相性が良かった。「本当に、良くて、いいから使っているんだけど」と笑った。

先発した石川が試合をつくり、青木は2回に右翼の守備でダイビングキャッチ。バット以外でも見せ場をつくった。「同じ世代を生きてきた方なんで、思い入れはやっぱり人一倍あります」。24年シーズンも、2人での競演を何度もつくっていく。【栗田尚樹】

【関連記事】ヤクルトニュース一覧