阪神佐藤輝明内野手(24)が26日、1軍宜野座キャンプ最後の特守を終え、猛特訓を完走した。午後からサブグラウンドで約1時間のノックに入り、191球を受けきった。昨季チーム最多20失策を喫し、守備力強化を課題とされた1カ月。初日から全8回行われた特守は計515分に及んだ。岡田監督も「守備はようなったよ」と納得顔。打撃面の相乗効果も分析した。充実感たっぷりにキャンプを締めくくり、開幕へ「ニュー輝」を仕上げていく。

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三塁線の強いゴロにも、佐藤輝は左手を伸ばして懸命に食らいついた。時折、足が止まりそうになりながらも、三塁線の打球や併殺ゴロを処理。約1時間で191球のノックを受けきった。初日から行われ、この日が計8回目のラスト特守。期間中の総練習時間は515分に達した。初日は「まだまだでしょ」と辛口だった馬場内野守備走塁コーチにも「オッケー!」と言わせるまでに成長した。

「学生時代は分からないですけど、(プロ)4年間では一番(守備を)やったかなと思います」

昨季はチーム最多の20失策。守備力強化は今春の課題とされてきた。練習を重ねる中で足の運び方などでコツをつかみ「うまくなっていると思う」と上達を実感。充実感たっぷりに猛特訓を完走した。

岡田監督も「守備はようなったよ。送球とかな。ちゃんとステップが踏めるもんな。捕ってからの足運びが良くなったからな」と納得顔。足腰を使う練習は打撃面にもつながっていると分析した。

「やっぱり下半身強くなるからな。絶対打つ方にプラスになってると思うよ。(実戦で)変な空振りないもんな。打つ分にもプラスやし、守備でもプラスやしな」

紅白戦や練習試合を含め、今春の実戦は18打数9安打で打率5割。この日のフリー打撃でも67スイングのうち6本の柵越えを放った。本人も「守備を考えることが減れば、バッティングにはいい影響が出る」と相乗効果を感じ取っている。

ノック後はサブグラウンドに集まった虎党へ、プチサイン会も開催。疲れ切った体でもファンサービスを忘れなかった。特守に始まり、特守で終えた1カ月。課題と向き合い、自他ともに成長を感じ取った。

「しっかりまた練習して開幕を迎えたい」

現状に甘んじることなく、今季は攻守に新たな姿を披露する。【波部俊之介】

▽阪神馬場コーチ 本人がやろうとしている姿が見えたのが一番プラス。自覚が出てきて、最後までノックを受けられたのが良かった。今の投げ方なら、そんなにスローイングのミスはなくなるんじゃないかな。

◆佐藤輝の今春キャンプ守備 初日から個別練習で特守を敢行。三塁線へのゴロなどに対し、スライディングすることなく下半身を使っての捕球を指導されてきた。23日の巨人とのオープン戦(那覇)ではオコエのライン際への打球を好捕するなど成果を見せた。第2クールでは鳥谷敬臨時コーチ(日刊スポーツ評論家)からも密着指導を受けた。6日には一塁送球までの足の運び方などをノックを通じて練習。8日には手で転がしたボールに対してステップを踏む、基礎的な反復練習でレベルアップを図った。