日本ハム万波中正外野手(23)が、「レギュラー」と「ど若手」のはざまで気持ちが揺れ動いた春季キャンプを振り返った。28日、チームは本拠地・北海道で休養日を過ごした。新庄監督からチームでただ1人のレギュラーとして明言された万波は、6年目で初めてキャンプを主力待遇で過ごした胸の内を明かした。3月は侍ジャパンの強化試合も控える「マンチュウ」が思い描く、シーズン開幕へ向けた青写真とは。

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万波は6年目の春、目指していたレギュラーになった。気持ちは「そりゃ違うっすよ」。キャンプでがむしゃらにアピールしなくてもいい。その分、常に責任がのしかかる。「シーズンで結果を残さないとっていう緊張感はあります」。2月は実戦に出場しても多くて1試合2打席。毎試合出ることもない主力待遇にジレンマがあった。

万波 チームの中でも(自分は)歳がめちゃくちゃ若い。それが唯一、むずがゆい…というか(笑い)。年齢だけなら“ど若手”じゃないですか。でも、チームで唯一(レギュラー)。キャンプの最初の方は2つの立場のはざまで、気持ち的になんか難しいな…と。

キャンプ序盤に感じていたギャップは、徐々に割り切れた。出場しなかった紅白戦や練習試合後は自ら希望して特打を行うなど、自由に使える時間は自分のやりたい練習で追い込んだ。

万波 そもそも、オフからレギュラーで出るつもりで練習してきた。よく考えたら、別にやること変わらない。キャンプ前半は、かなり強く振って打球速度とかの数値を、後半は繊細な部分を意識した。調整の段階分けを自分で決めてやれたので、いいキャンプを過ごせた手応えはあります。

開幕までは残り1カ月。レギュラー万波は、どう仕上げていくのか。

万波 どういう打球が打てたかに重きを置いてやりたい。その中で、やっぱ長打を打ちたい。(2月は)カーンって高いフライとかが少なかったんで。

2月中の実戦では本塁打も含めて長打はゼロ。まずは出場予定の3月1日教育リーグ、オイシックス戦(エスコンフィールド)で安心材料となる結果がほしいところだが、最終的には「シーズンで結果を出すだけ」。レギュラーだけに与えられた自由を存分に生かし、責任を果たす最善の準備をしていく。【木下大輔】

◆万波の今春キャンプ 新庄監督から「もうレギュラーでしょ」と明言されてキャンプイン。最初の実戦出場はチーム3試合目の7日紅白戦。練習試合やオープン戦を含めて、出場は7試合(スタメン6試合)で13打席に立ち、12打数3安打2打点(本塁打0)だった。レギュラーが確約されていなかった昨春キャンプ中の実戦出場は12試合(スタメン6試合)で30打席に立ち、26打数7安打9打点(3本塁打)。今季は大幅に実戦調整が少なくなった。