開幕投手を務める楽天早川隆久投手(25)が、変化球を自在に操った。先制された直後の4回2死一塁、9番中村健をカットボールとカーブで追い込み、3球目は新球の127キロフォークを外角低めに制球。「タイムリーを打たれた後で、フォークの精度をもう1回見直さないといけないとマウンドで整理できました」。タイミングを完璧に外し、空振り三振に封じた。

5年ぶりのオープン戦開催となった倉敷は、気温が10度前後と肌寒い気候だった。最速は早大時代が155キロ、プロでは153キロだが「出力はこの寒さで怖いところもあり、自分の中で制御しながら」と、この日は144キロ。あえて球速を落としたが、直球自体が不調で、小園に浴びた5回のソロは甘く入った138キロを捉えられ「真っすぐの見直しとフォームを修正したかった」と降板後はブルペンで「反省会」を行った。

だからこそ、より変化球が光った。2回に堂林をカーブ、3回に菊池をスライダー、4回にレイノルズをチェンジアップで、それぞれ空振り三振。「変化球はすごい収穫となるものがあった」。今江監督も「真っすぐが良くなかった中、変化球で空振りを取れるのは逆に収穫なんじゃないかな」とうなずいた。

早川は今季最長の5回を7安打2失点5奪三振でまとめ、実戦3試合で計10回を2失点と好投する。2月28日に自身初の開幕投手に決定してから初先発。「そこまで意識せず、自分としてもある程度マイペースにできていると思います」。開幕まで約1カ月。気負わず前へ進む。【山田愛斗】

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