頼れるベテランが躍動した。

今季初登板の楽天岸孝之投手(39)が、3回完全投球と存在感を発揮。「狙ったところにいった球は2割あったかどうか」と辛口評価も、降板後は軽やかな足取りでベンチに引き揚げた。最速は139キロだったが、スライダー、カーブ、チェンジアップと全球種を試し、34球の省エネ投球。「バッターとの対戦というところで無事に終えられたので良かったかなと思います」と胸をなで下ろした。

伝家の宝刀がさえた。2回先頭のシャイナーを追い込むと、最後は104キロの外角カーブで空を切らせた。「何とか振りたくなるようなところに投げられたので良かったです」。後続は二直と三ゴロ。3回は相手打線をわずか8球で封じてみせた。

昨年10月7日ソフトバンク戦(楽天モバイル)以来、148日ぶりの実戦だった。2月の沖縄キャンプはシート打撃などで打者とは対戦せず、この日は昨年2月23日の初実戦よりも遅い登板となった。永井投手コーチは「彼は経験がある。実戦経験がなかったとしても合わせてくれる選手なので、信頼して送り出しました」と説明。昨季チームトップの9勝を挙げたベテランが、上々のスタートを切った。【山田愛斗】

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