阪神大山悠輔内野手(29)のバットから快音が響いた。

4回、近本の二ゴロで先制した直後。なお1死三塁のチャンスで4番打者はマーフィーの154キロをジャストミート。右前にライナーで運んだ。一気に新加入の剛腕を攻略した。

オープン戦5試合目。13打席目での初安打。次の6回にも直球をとらえ、右中間フェンスにワンバウンドで飛ばす完璧な三塁打でまた走者をかえした。

確かに当たりは出ていなかった。結果を見れば「心配」となるが、そんなステージにいる選手ではない。岡田監督は練習を見て「内容とか結果じゃなしに、やろうとしていることが見えるやん。開幕に照準を合わせて」と信頼しきっていた。フリー打撃ではキャンプから一貫して、右方向への打球が多かった。2安打を含め、結果的にこの日は二ゴロ、右飛と4打席すべて右方向に飛んだ。

ただし、フォーカスすべきは打球方向だけではない。大山ははっきりした口調で話した。「逆方向とかではない。自分のやりたいこともありますし、いいところとまだまだなところもある。残りの試合も少なくなってくるので、しっかり自分で反省したり、しっかり見直して、1試合1試合を大事にして、やっていきたい」。大きな責任を負う4番打者はブレずに突き進んでいる。【柏原誠】

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