日本ハム伊藤大海投手(26)が歩む開幕ロードは順調だ。今季2度目の実戦登板となる西武とのオープン戦(鎌ケ谷)に先発し、3回3安打無失点。毎回走者を背負いながらも、バッテリーを組んだルーキー進藤を引っ張って、きっちりと要所を締めた。3月29日の開幕ロッテ戦(ZOZOマリン)まで残す調整登板は2度。あとは球数、イニングを伸ばし、自身初の大役へ向けて微調整していく。

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充実感が漂う、プロ4年目での“鎌ケ谷デビュー戦”だった。伊藤は余裕たっぷりに言った。「なかなか投げる機会もなかったので、1回ここで投げられたことは、すごくうれしく思っています」。これまで2軍本拠地での試合に投げたことがなかった。1年目から1軍で戦い続けてきたからこそ、巡り合わなかった舞台。その実績から託された大役へ向けて、手応えを深めた1日となった。

3回を投げて3奪三振。ルーキー進藤とは試合前の打ち合わせで「追い込むまでは基本的に(進藤に)任せて。最後の(ウイニング)ショットに関しては、僕が投げたいボールを投げると言ってあった」。1回のコルデロはスライダー、2回の炭谷は新球のスイーパー、3回のコルデロはスプリットで空振り三振。新人捕手の組み立てを生かしながら決め球は自ら配球して、無失点に抑えてみせた。

昨季は被打率3割4厘と苦手とした左打者への攻め方にも収穫があった。西武のスタメンに左打ちは3人だけだったが、安打を打たれたのは初回先頭の西川だけ。「西川選手に最初、カーブをヒットされましたけど、その後はインコースのカットボールやスライダー、最後の(コルデロを空振り三振に打ち取った)スプリットの使い方など幅はしっかり出ていた」と課題克服への自信も深めた。

春季キャンプから開幕戦と同じ金曜を軸にブルペン、実戦を重ねて調整していく“金曜ローテショー”もいよいよ佳境だ。15日の金曜は試合がないため、今回は中5日での登板。次回は中6日で14日広島戦(エスコンフィールド)、そして中7日で金曜に戻って22日DeNA戦(同)で開幕投手へ向けた調整を完了させる。「すごく予定通りに来ている。変に欲を出さないように、しっかり決めたことを守って開幕を迎えたい」。チーム5年ぶりの開幕白星でシーズンを封切りさせる準備を淡々と進める。

▽日本ハム新庄監督(先発で3回40球、3安打無失点の伊藤に)「伊藤君も、いろいろ試したいボールもあっただろうし、自分の思うように投げている感じに見えたので良かったんじゃないですか」

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