阪神岡田彰布監督(66)が青柳晃洋投手(30)に2年連続となる開幕投手を託した。大阪市内のホテルで行われた球団激励会のあいさつで、自ら切り出し、3月29日巨人戦(東京ドーム)の先発を明言した。昨秋の球団納会で開幕投手の決定について「来年の激励会にしておきます」と話しており、予告通りの発表。昨季は不本意なシーズンに終わった22年の投手3冠右腕が、開幕マウンドから復活する。

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電鉄主催の球団激励会のあいさつで、壇上に上がった岡田監督は突然、切り出した。「納会の時に開幕投手と目が合ったって言うたんだけど、『今年は』じゃなしに、『今年も』というね、3月29日は青柳で、タイガースはね、スタートしたいと思うんで」。そして続けて、青柳に投げかけた。「日本シリーズから連投なるけど大丈夫かな。ね、なかなか珍しいかも分からないけど」。目が合った右腕は、円卓からにっこりと笑顔で応えた。

昨秋の球団納会。岡田監督は冒頭のあいさつで、開幕投手についてニヤリと予告していた。「今、目が合ったんだけど。今日はやめときます。来年の激励会にしておきます」。約3カ月後の宣言通りの発表。納会では目が合わなかったという青柳も「突然でした。びっくりしましたけど、狙っていたところ。うれしかったです」と素直に喜んだ。

6日にブルペン投球を見守った指揮官は、手応えを感じていた様子だ「まあまあ良かったわ。仕上がりまではいかんけど」。青柳はキャンプ中の右臀部(でんぶ)の張りで出遅れ、ここまで登板は1イニングのみ。実戦復帰する8日のヤクルト戦(甲子園)が「開幕テスト」となるはずで、この日の昼過ぎには「明日の楽しみにしとこ」とけむに巻いていたが、前倒しでのサプライズとなった。

22年に2年連続の13勝を挙げ、投手3冠に輝いた右腕も、昨シーズンは8勝6敗、防御率4・57と苦しんだ。だからこそ「去年のふがいない成績から、それでも期待して開幕ゲームに選んでもらえるのはすごい光栄なこと」と粋な計らいに燃える。日本シリーズ最終戦からの“連投指令”に「ちょっと肩張っているので」とユーモアで返すと、気合を入れた。「大事な試合で選んでもらえたのを意気に感じて、自分の中でベストなパフォーマンスを出せるようにしていくだけ」。22年最多勝右腕が、開幕マウンドから復活ののろしを上げる。【磯綾乃】

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