巨人ドラフト1位・西舘勇陽投手(21=中大)が、高速フォークを初披露した。6回先頭、オリックス若月をカウント0-2で追い込んだ3球目。低めにスピードに乗りながら、ベースの手前でストンと落とした。145キロを見極められてボール判定も、未完成の中でインパクトを残した新たな手札に「改善するところいっぱいあるので、次に向けてやっていければ」と、精度を磨き上げていく。

阿部監督の助言で生まれた産物だった。台湾から帰国後、練習中に「ちょっと(握りを)浅くしてみたら。徐々に広げていく中で自分の広さを探して」。キャッチボールから試行錯誤し、前回登板2月25日ヤクルト戦では136キロだったフォークが、浅い握りで9キロアップ。実際に最高の見せ球となって、5球目の127キロカーブで空振り三振に仕留めた。そのまま3者凡退で切り抜け、対応力を証明した。

開幕ローテーションを争う中、次は先発テストが待ち受ける。1イニング限定登板では、リミッターを解除し直球もプロ入り後最速の153キロもマーク。「指のかかりとかもすごい良かったので、練習してきたことが出せた」。週明けにも2軍戦で先発予定。つかんだ手応えとともに、真っさらなマウンドに上がる。【上田悠太】