巨人萩尾匡也外野手(23)が後輩に最高の雄姿を示した。4回2死一塁。ソフトバンク石川の117キロ高めパワーカーブを引っ張りこんだ。左翼ポール直撃のオープン戦1号2ラン。「肩口だけは絶対に打とうと思っていた」と初球を迷わず振った。慶大時代に東京6大学野球で戦後16人目の3冠王に輝いた萩尾も、1年目の昨季は16打数1安打でノーアーチ。1軍“初本塁打”にもなった。

鹿児島合宿中の慶大野球部が三塁側スタンドから見守る中での打席だった。試合前、通算525本塁打を誇る清原和博氏の長男正吾内野手(3年)が手を振りながら「萩尾さ~ん」と近づいてきた。2年間一緒にプレーし、卒業時はアンダーシャツなど道具もプレゼントしたかわいい後輩。「試合見ているので頑張ってください」と発破をかけられた。懐かしさを感じながら気が引き締まった。「(正吾も)プロを目指している。僕も負けないように」と結果を出した。

激しく噴煙が舞い上がる桜島。その雄大な姿を視界に望める平和リース球場は、慶大時代に合宿で汗を流した球場でもあった。思い出の地でバットから火を噴かせ、これでオープン戦は14打数4安打1本塁打6打点。外野レギュラー争いの火花をさらに激化させた。【上田悠太】

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