ソフトバンク東浜巨投手(33)が、3年連続の開幕ローテーション入りに当確ランプをともした。巨人戦で5回を投げ、4安打4奪三振無失点と好投。この日の最速152キロ直球に、改良したシンカー、チェンジアップで巨人打線を圧倒し、三塁すら踏ませなかった。文句なしの快投を続け、オープン戦2試合で9イニング連続無失点。今後、中6日で回れば、開幕2カード目の第2戦、4月3日ロッテ戦(ペイペイドーム)の先発が決定的となった。

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貫禄たっぷりに82球を投げ終え、東浜は充実感を漂わせた。巨人打線を相手に5回4安打無失点。三塁すら踏ませない、抜群の安定感だった。「ゾーン内で3球勝負ができた。シーズンで使う配球ができたので、そういった意味でいい実戦だった」。テンポ良くストライクを先行。カウント3ボールは1度だけ。投手有利な攻めで、スコアボードに0を並べた。

立ち上がりから飛ばした。初回2死一塁。4番岡本和への2球目に、この日の最速152キロをマークした。前回登板の6日ヤクルト戦では最速は148キロにとどまったが、中6日で臨んだオープン戦2度目の先発で150キロ台は計6球。「指にかかって出力が出ている感覚があった。(球速は)出るにこしたことはない」と胸を張った。

直球が走り、変化球も生きた。オフに落ち幅、軌道を改良したシンカーは140キロ台後半を計測。スタメン9人中7人の左打者には、外へ逃げていく球として有効だった。さらに、2年前に習得した130キロ台後半のチェンジアップは緩急をつける武器に。以前は「苦手」と昨季はほとんど投げなかったが「苦手で終わらすのはもったいない。練習すれば身になる」と春季キャンプ中から意欲的に取り組み、今季は解禁する方針だ。「今日は良かった。まだそのレベル」と一定の手応えを口にし、今後もさらに精度を磨いていく。

昨季は6勝7敗、防御率4・52と不本意なシーズンだった。24年の開幕ローテ入りに向けてアピールする立場に立たされ、オープン戦2試合で9イニング連続無失点と好投を続ける。小久保監督は「今年に懸けるっていうところでずっといい結果を残してますよね。(開幕ローテも)近いですよね」と明言こそ避けたが、4月3日ロッテ戦の先発が決定的となった。東浜は「判断するのは僕ではない。しっかり自分のやることをやりたい」。巻き返しの今シーズンへ、実績十分な右腕が鷹の先発陣を引っ張っていく。【佐藤究】

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