DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)が、決勝打で勝利に導いた。日本ハム戦の6回1死二塁に右翼ポール際のフェンスに直撃する先制の適時二塁打で、この試合唯一の得点をもぎ取った。

練習試合を含めスタメン出場した試合では16試合連続安打とし、4打席目にも右前打でオープン戦は打率4割1分7厘。24日の最終戦を残し、規定打席まで残り5打席。ドラフト制後、新人では14年井上(ロッテ)以来2人目となるオープン戦首位打者を視界に捉えた。

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度会の体が染み付いた野球センスで反応した。両軍無得点の6回1死二塁。日本ハムの2番手左腕・福田俊の初球だった。内寄りの134キロスライダーにクルッと回転。ライナー性で“プロ初アーチ”まであとわずかとなる、右翼フェンス直撃の決勝の適時二塁打で勝利の立役者になった。「詰まり気味の中でもフェンス直撃まで持っていけてるのはパワーもついてきてるかなと。スイングのキレも上がってきてるので変わらずにやっていきたい」と右肩上がりの状態が続く。

元ヤクルトの父博文さん(52)から抜群のセンスを受け継ぐ。8回2死でも左腕の北浦から詰まりながらの右前打。オープン戦の対左投手は打率4割(対右は打率4割2分4厘)と左右関係なくヒットを量産する。オープン戦終盤で主戦投手が来ても、初対戦でも、関係ない。巨人佐々木ら他の打者次第ではあるが、24日の日本ハムとのオープン戦最終戦で5打席立てば、14年井上(ロッテ)以来の新人でのオープン戦首位打者に浮上する。「いつも通りやるべきことをやって、結果的に取れたらうれしい」と地に足をつけた。

北海道では移動日にチームメートの京田と松尾とすしを食べてエネルギーチャージ。積もった雪を目の前にして桑田佳祐の「白い恋人達」を熱唱し「今年、雪を生で見たのは初めてだったのでテンション上がりました。京田さんにおいしいおすしをおごってもらったのでおかげで打てました」と幸せそうな笑みを浮かべた。開幕1番が濃厚なドラ1ルーキーの勢いが止まらない。【小早川宗一郎】