さあ甲子園でメモリアル星だ! 阪神森下翔太外野手(23)が岡田彰布監督(66)の“よっさん超え”を彩る。

9日から今季の甲子園開幕戦となる広島3連戦を迎える。現在、岡田監督は阪神監督通算482勝。歴代勝利数で吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)の484勝にあと2勝と迫る。甲子園3連勝で恩師超えなるか。指揮官の秘蔵っ子が劇弾で節目の勝利を祝う。

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森下の目にはすで黄色に染まった甲子園が映っている。「甲子園で、ホームで出来るんで、歓声とか応援とか大きいものがあると思う。それに乗っかってやっていきたい」。今季初めてとなる公式戦の甲子園3連戦。背中を押してくれる本拠地の応援をイメージして気持ちを高ぶらせた。

燃え上がる要素もある。岡田監督は現在、虎の監督通算482勝で、歴代勝利数で吉田氏に次ぐ球団3位だ。2位吉田氏の484勝まであと2勝に迫っており、広島戦で3連勝すれば吉田氏を超える。森下は22年ドラフトで1位指名を受けて阪神に入団。岡田監督が2度目の阪神監督を務めてから最初のドラ1で、1年目からレギュラーに定着。その結びつきは深い。指揮官の節目を自身のバットで祝いたいところだ。

森下は開幕からインパクトのある2本のアーチでチームに勝利を運んだ。ただ、打率は1割6分7厘。7日ヤクルト戦(神宮)では今季初めてスタメン落ちした。それでも集中力を切らさず、9回に代打で出場すると二塁打。試合後には「スタメンで出ているありがたみと、後から出てくる難しさというのは感じました」と前向きに語った。発奮材料は十分。9日広島戦の先発は左腕床田で、先発復帰の可能性は高い。

昨季の広島戦では打率3割2分8厘と好相性だ。昨年9月8日の甲子園では床田から左翼へ先制の10号ソロを放っている。新人の2桁本塁打は史上6人目で、右打者では岡田監督以来だった。「相手も対策して臨んでくると思うので、引かずにいきたいと思います」。進化した打撃で強気に攻める。

本拠地の甲子園は8月に開場100周年を迎える。「盛り上がる1つのことでもあると思う」とタテジマ戦士とファンにとって特別な1年に思いを込めた。広島3連戦は今季の甲子園初陣とあってチケットは前売りで完売している。虎党の大声援を力に変え、満員の甲子園で岡田監督にどでかい1発をささげる。【村松万里子】

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