大産大の右腕・長友一夢(ひとむ)投手(3年=大阪)が自身大学で初めての完投勝利。首位を走る天理大に勝ち、大逆転でのリーグ優勝へ希望をつないだ。

負ければV逸の一戦で先発マウンドをたくされ、「ただ勝つことだけを意識した」。初回こそ2ランで先制を許したが、粘り続けた。9回5安打ながら8四死球。再三のピンチも打たせて取る投球で2失点でしのいだ。「勝つのがピッチャーの仕事。悪い点が多かったけど勝てたことは良かった」と笑顔を見せた。

日本人メジャーリーガーからヒントを得た。タイガース前田健太投手(36)のスプリットチェンジをYouTubeで研究。本格的に同球種を操るのは今春から。サイド気味のスリークオーターから操ったボールは相手打者をてこずらせた。「真っすぐの威力や落ちるスプリットチェンジでファーストゴロを多く取れていた。落ちる変化と真っすぐでうまく打ち取れた」。勝ち越した直後の5回には1死二塁から2者連続で一ゴロに仕留めるなど、有効なボールとなった。この日は自己最速を1キロ更新する148キロも計測するなど、直球とのコンビネーションがマッチした。

リーグ優勝へ崖っぷちの状況で首位天理大に今季初黒星をつけた。「1年秋からずっと投げさせてもらってるんですけど、ずっと天理が優勝している。そろそろ自分たちが優勝したい」。好投で独走する天理大に待ったをかけた。