ボクシングのWBC世界ライトフライ級王者拳四朗(25=BMB)が28日、都内で行われたダブル世界戦調印式に“貴乃花ルック”で登場した。スーツ姿で首にはマフラーを垂らし「有名になりたいんです!」。WBO世界スーパーフライ級の怪物王者井上尚弥に注目が集まるが「時の人」の力を借りて存在感をアピール。同時に3度目の世界戦にして初のKO宣言も行った。明日30日は、本業で目立ってみせる。

 誰が見ても「それ」と分かる格好だった。拳四朗はスーツに首からマフラーを垂らし、調印式に現れた。「その格好?」と尋ねられると、待ってましたと言わんばかりに「分かりました?」。最近テレビに映らない日がない、貴乃花親方の着こなしだ。ルイ・ヴィトン製のマフラーを触りながら「自分からは言いにくいけど“気づいてくれたらなあ”と思ってたんです」と、笑顔で狙いを明かした。

 京都生まれの生粋の関西人は「有名になりたい」が口癖だ。いつもニコニコの“癒やし系王者”だが、街を歩いていても誰も気づいてくれない。少しでも知名度を上げたい一心から、遊び心で“貴乃花ルック”に手を出した。

 時の人の力を借りて“つかみ”は終わった。後は本業のファイトで結果を出す。3度目の世界戦で初の生中継もモチベーションになっている王者は「絶対KOで勝つので、応援よろしくお願いします」と宣言した。10月23日の初防衛戦一夜明け会見で同席した具志堅用高氏に「いいパンチを当てた、次が大事!」とKOの仕方を指南された。「手数ですね。それが“北斗百烈拳”になったらいい」。狙うは初の世界戦KO勝ち。最後は自分の力で、有名になる。【加藤裕一】