世界再挑戦を目指す元日本スーパーフライ級王者の石田匠(26=井岡)が4回31秒TKO勝ちを飾った。15年1月に世界挑戦経験のあるリチャード・クラベラス(29=フィリピン)に左ジャブを的確に当て、左ボディーを織り交ぜて主導権を握り、左右のコンビネーションで勝負を決めた。

 「前半は、相手がきっと元気なんで、後半勝負と思っていた」と快勝を喜んだ。戦績は26勝(15KO)1敗。

 昨年10月に英国でWBA王座に初挑戦し、0-3の判定負け。今回は再起2戦目だった。「世界戦を経験して強くなったと思う」。8万人の大観衆が入った完全アウェーの会場で、フルラウンドを戦った。

 「僕は結構、いいのを入れても単発で終わることが多い。今日は多少連打できたつもりですが、あと2、3発打って離れるようにしないとダメ」。もう1度、世界戦の舞台に立つために、どこまでも貪欲だ。

 憧れでもあり、同僚でもあった元世界3階級覇者の井岡一翔がこのほど現役復帰を表明。自分と同じスーパーフライ級で4階級制覇を狙う。「復帰は単純にうれしかった。ただ、スーパーフライでしょ? 負けないようにしないと」と苦笑いした。対戦の可能性は限りなく低いが「99%ないでしょうね。本当に“もしもの話”として言えば、それは勝ちます」と言えるまで、自信がついてきた。

 現在の世界ランクはWBA8位、IBF11位、WBO12位。狙えるポジションだが、なかなか順番は回ってこない。それでも「もう1度チャンスは来るはず。絶対に世界をとります」とベルトを追いかけていく。