渡部あきのり2階級制覇、白血病の娘のために泥臭く

<ボクシング日本スーパーウエルター級暫定王座決定10回戦>◇24日◇東京・後楽園ホール

同級1位渡部あきのり(33=角海老宝石)が初回TKOで、2階級制覇を達成となった。

王者新藤寛之(32=宮田)のケガで、同級2位丸木凌介(27=天熊丸木)との暫定王座決定戦。ゴングから攻め込んでダウンを奪い、さらに連打にレフェリーストップ。1回2分51秒TKO勝ちで、11年に獲得したウエルター級に続く日本王座獲得となった。

渡部はゴングからコーナーに追い込んでいった。3度目の挑戦となった丸木はガードを固め、左のカウンターを返した。これをもらって渡部も棒立ちになった。それでも渡部は攻め込んで連打でダウンを奪い、1度は立ち上がった相手に再び連打でストップ勝ちした。渡部は反撃に何度か棒立ちのピンチに、トレーナーからは「危なすぎ」と指摘され、試合後もムッツリで祝福を受けることはなかった。渡部は「打ち合いで盛り上がったからいい。プロは結果。面白がってもらえたからいい」と、平然としていた。

暫定ながらも6年ぶりで日本王座に返り咲きとなった。「やっぱり居心地はいい。日本王者は日本一でシンプル」と角海老宝石ジムに移籍して2年目になる。「最高の環境でやらせてもらっている。言葉ではどうしようもなく、結果でしか返せない。1個返せたかな」とホッとした表情だった。

前回の4月の試合後に長女紗月ちゃん(3)が白血病と判明し、現在も入院生活を送っている。「娘のためにも勝ててよかった。泥臭くても世界を目指していく」と夢はあきらめていない。