日本フェザー級2位佐川遼(25=三迫)が、下馬評を覆して新王者になった。同級1位阿部麗也(26=KG大和)との王座決定戦。長いリーチを生かして、左ジャブ、右ストレートを当ててリード。3-0の判定勝ちで、9戦目にして王座を獲得した。

佐川は勝利の判定の瞬間、両腕を突き上げると顔をくしゃくしゃにした。東農大出身のアマ経験者だが「昔から一番になったことがなくて。ベルトなんて程遠いと思っていた。信じられない」と話した。

世界ランカーで天才を自称した阿部に対して、「相手の距離になるな。前に行かず、待って遠くで当てる。」という指示通りに作戦を遂行した。セコンドからは「お前が天才だ」とハッパを掛けられ「ほめられるとうれしいので」と気持ちも乗った。

プロ2戦目に初黒星も、6連勝して9戦目で初挑戦のチャンスを得た。1年前に世界挑戦経験ある松本亮(大橋)に3回TKOで名を挙げ、5月にはマニラでWBCアジア・シルバー王座も獲得した。ジム5人目の日本王者誕生に三迫会長は「うれしい限り。いろんな経験をしていまだ進化中」とさらなる成長を期待した。

ベルトに加えて世界ランク入りも確実だが、佐川は「考えたこともなった。最終回は巻き込まれて反省。まずはしっかり初防衛したい」と冷静に話した。