“野人”中西学(53)が7日の引退発表以来初の試合に臨んだ。この日は同じ第3世代の天山広吉(48)とタッグを組み、本間朋晃、真壁刀義組と対戦。真壁を持ち上げ、アルゼンチン・バックブリーカーを決め、さらに本間に向かって投げとばすなど変わらぬ怪力を見せつけたが、最後は真壁のキングコング・ニードロップをくらい、3カウントを許した。

中西は92年バルセロナ五輪レスリングフリースタイル100キロ級に出場し、同年8月に新日本入団。09年にIWGPヘビー級王座を初戴冠したが、11年6月、試合中に首の脊髄を損傷。翌12年10月に復帰を果たしたが、以降コンディションが元に戻らず「けじめをつけたかった」と引退を決意。7日の会見では「自分の中にある熱いものを使いきって、思いっきり引退の日までダッシュして、レスラー人生をまっとうしたい」と語っていた。

2月22日の後楽園大会まで続く引退ロードは、屈辱の黒星発進。中西は「やられてもうたけど、残る試合で返していく」と悔しがった。2月9日の大阪城ホール大会まで中西のパートナーを務めることが決定している天山は、試合後にがっちりと握手。「決まったことは仕方ない。つらい。彼がやめるのはすごくショックで残念ですけど、できるだけヘルプしていきたい」と野人の力を引き出すサポートを約束した。