大相撲春巡業が1日、奈良・五條市で行われ、新元号発表直後に「令和」を書いた立行司の第41代式守伊之助(高田川)が「丸みのある方が書きやすい。(『令』は)キレのいい形の字なので緊張した」と、執筆に苦戦した。

伊之助にとって「和」は縁のある字だった。12年に式守勘太夫を襲名する前は木村「和」一郎を名乗り、娘の名前も「和」子。この日も「自分が書いた方がいいかなと立候補した」という。一方で「令」は難しい字だ。左右非対称かつ、とめ、ハネのバランスを取るのが難しい。伊之助は「『令』はぴりっとした気持ちになる。『令』で緊張し、『和』でなごむという感じかな」と苦笑いを浮かべた。

執筆した「令和」は幕内と横綱の土俵入り後、会場内に垂れ下げられた。