大関経験者で序二段まで陥落後、番付を上げてきた東幕下27枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、1番相撲から土つけずの連勝を「5」に伸ばした。

3兄弟関取を目指す同22枚目の若隆元(27=荒汐)との全勝対決。十分な出足で右を差し圧力をかけると、相手は何とか左に回ろうとするのが精いっぱい。逃げる相手の左上手を瞬時につかむと、豪快に放り投げるような上手投げで仕留めた。

2秒足らずで勝負を決める“省エネ”相撲に、支度部屋へ戻っても余裕の表情。「相手が硬くなっているように見えた。中に入ったら、うるさい相撲を取るから、できるだけ中に入れないように」と、約8年前の三段目時代に一度だけ対戦したこともある相手の情報もインプットして臨んでいた。

残り2番。現状で残された全勝力士の顔ぶれから、対戦相手は三役経験のある西幕下7枚目の千代鳳(26=九重)、最高位が東前頭筆頭で3場所連続全休明けとなる西幕下46枚目の千代の国(29=九重)らが予想される。残りは「九重(部屋)と2回かな? 元三役と上位経験者だからね」とニヤリ。幕内上位で戦ったことのある、勝手知ったる相手との手合わせは、モチベーションを高めてくれそう。対戦を心待ちにしているような笑みだった。