横綱白鵬(34=宮城野)が、43度目の優勝に王手をかけた。

阿炎のもろ手突きを左で張ってずらし、左上手。まわしを切ろうと右に逃れる相手を一気に押し出した。3敗の正代と朝乃山が勝っていたため、この日の優勝の可能性が消滅した中での一番。取組前には混沌(こんとん)とした優勝争いを期待する観客から「阿炎コール」が巻き起こった。

支度部屋で白鵬は「(コールは)当然っちゃ当然だよね」と、会場の空気を察していたように淡々としていた。14日目で勝てば自力での優勝が決まる。この日は「いい夫婦の日」。14勝1敗で優勝した2年前は唯一敗れた日だっただけに「(紗代子夫人に)いい報告ができるね」と上機嫌だった。