2カ月に1度、奇数月に当たり前のようにあった大相撲の本場所がなくなりました。好角家のみなさんも寂しい日々が続いていることでしょう。そこで日刊スポーツでは本誌評論家の高砂親方(元大関朝潮)に、部屋の近況や開催を目指す7月場所に向けての思いなどを「大ちゃん大分析~特別編~」として語ってもらいました。不定期掲載となるのはご容赦を…。

   ◇   ◇   ◇

前回は、夏場所中止が決まった翌日にこのコラムを書かせてもらった。あれから3週間がたち、いろいろなことが起こった。角界で三段目の尊い命が奪われてしまったのは本当に悲しいことだった。あらためて新型コロナウイルスの恐ろしさを感じさせられた。だから緊急事態宣言が全国で解除されても、これまで通り気を緩めることなく粛々と送る生活の中で、感染予防は徹底している。

同時に7月場所に向けて徐々に、稽古の強度は上げていこうと思う。うちの部屋は2週間ほど前から、ぶつかり稽古など接触を伴う稽古も始めている。ただ春場所から7月場所まで約4カ月も空くから、ペース配分も大事だ。そこは師匠のさじ加減で抑え気味にしている。稽古時間も2時間、土曜日は四股だけで日曜日は休養日にしている。

最近は稽古時間以外で、弟子たちが縄跳びをよくやっている。昔から取り入れていたトレーニングの一環で、昔は曙(元横綱)に勧めたこともあった。相撲協会の公式ツイッターで朝乃山が、部屋の屋上で跳んでいるシーンを見た人もいるでしょう。ストレス発散も力士たちはよく考えていると思う。我々も7月開催を信じて、前向きな姿勢で進みたい。(日刊スポーツ評論家)