昨年1月に引退した大相撲元前頭旭秀鵬のトゥムルバートル・エルデネバートルさん(34)の断髪式が4日、東京・錦糸町の東武ホテルレバント東京で行われた。先代大島親方(元大関旭国)ら約370人が駆けつけてはさみを入れ、師匠の大島親方(元関脇旭天鵬)が止めばさみを入れた。「どれぐらい集まるか不安だった。昨日はいろんなことを思い浮かべながら涙が出てきちゃって寝れなかった。きょうはみんなの顔を見たら、落ち着いていたかな」と振り返った。

「将来の五輪選手」を育てるモンゴルの政策で岐阜第一高に柔道留学。兄を介してあこがれの旭天鵬と出会い、相撲に誘われた。同じモンゴルの旭鷲山が引退し、大島部屋の外国人枠が空いたことで入門。07年夏場所で初土俵を踏み、11年秋場所で新十両、12年初場所で新入幕を果たした。最高位は16年初場所での東前頭4枚目。東幕下筆頭だった昨年1月の初場所中に引退を発表した。

この日、断髪式ではさみを入れた入門時の師匠だった先代大島親方には感謝の思いしかない。「お父さんと同い歳。巡業でも他の付け人が洗濯物とかであちこちいっちゃうのに、俺だけ親方の部屋で腕立てやったりしていた。そのときは嫌だと思ったけど、関取にもなれた。今となってありがたいすね」と懐かしそうに話した。

協会に残らず、現在はモンゴルで貿易会社を起こして経営者として活動に励んでいる。将来的には事業を通じて日本との架け橋になろうと奮闘していく考えを示した。