テレビ東京の新人、田中瞳アナウンサー(23)の第2回です。苦手意識克服のために踏み出した1歩が、アナウンサーへの道につながりました。

元々引っ込み思案で「人前はすごく苦手」という一方、「それを何とか克服したい気持ちを持っていたんです」と話す。一念発起して学内のミスコンテストに参加したのは、苦手意識を克服するためだった。

「よくよく考えたら大学生活何も一生懸命取り組んでいないことにも気付いて。何かしらで爪痕を残さないといけないという気持ちでした」と振り返る。出場を機に気持ちに変化が生まれ「思い切って決断すれば、自分は前に出られるんだってことが分かったんですね」。

テレビ東京のキャラクター「ナナナ」を手に笑顔を見せる田中瞳アナウンサー(撮影・中島郁夫)
テレビ東京のキャラクター「ナナナ」を手に笑顔を見せる田中瞳アナウンサー(撮影・中島郁夫)

大学3年時、日本テレビ系報道番組で学生キャスターを務めた。出演はオーディションで射止めたが「やってみたら何かが変わるかもしれないと。後は好奇心で飛び込んだ感じです」と話す。ニュースを分かりやすく伝えるため、現場でスタッフと意見を交わし続けるアナウンサーの姿に刺激を受けた。

「それまで原稿を読むだけの仕事だと思っていたんですけど、視聴者の方に届けるために番組作りに関わっていけるんだ」と仕事への見方が変わった。原稿を持ってスタジオを走り回る裏方にも興味を持ったが、「伝えるということを経験させていただいたので、それを生かせる仕事をしたいなと思ったんですね」と決意を固めた。

アシスタントを務めるバラエティー番組「モヤモヤさまぁ~ず2」(日曜午後6時30分)の他、不定期でニュース番組にも出演。素を見せるバラエティーと、時間を守り正確に情報を伝えるニュースとのギャップに「めちゃくちゃ緊張します」と苦笑する。

「モヤさま」スタッフからは「ちゃんとニュースが読めるアナウンサーでいて」と言われている。「その上で週に1回遊びに来てください、と。遊びに行くなんてとんでもないんですけど(笑い)。そのようにいるべきなんだということは、ずっと念頭に置いていますね」。アナウンサーとしての本業は、ニュースを読むことと考えている。(つづく)【遠藤尚子】

◆田中瞳(たなか・ひとみ)1996年(平8)9月、東京都生まれ。成城大社会イノベーション学部卒後、19年テレビ東京入社。同期は森香澄、池谷実悠アナ。報道志望で、憧れは先輩大江麻理子アナ。166センチ、血液型A。