昭和の爆笑王とも言われた初代林家三平さんの「生誕百年記念興行」が11日から東京・浅草演芸ホール昼の部で始まります。初代は1925年に7代目林家正蔵の長男として生まれ、今年11月30日で生誕百年を迎えます。

私が1978年の秋に演劇・演芸の担当記者となって、初めて取材した落語家が初代三平さんでした。ただ、取材できた期間はあまりに短かった。初めて取材した直後の1979年正月に初代は脳出血で倒れて入院。リハビリを経てその年の10月に復帰しました。「源平盛衰記」を演じた末廣亭の復帰高座初日も取材したけれど、初代が高座に上がった時には大きな拍手と「待ってました」のかけ声もかかりました。初代はその後も寄席に出演しては明るい高座で沸かせていました、しかし、翌80年9月に緊急入院。入院から数日後の20日に54歳の若さで亡くなりました。肝臓がんでした。

亡くなった後も、初代の数々の遺品などを展示する「ねぎし三平堂」や毎年8月31日に浅草演芸ホールで開催される恒例の「初代林家三平追善興行」などを取材する機会も多く、初代は忘れることのできない存在でした。

今回の記念興行では、次男の2代目林家三平がトリを務め、長男の林家正蔵、初代を知る林家木久扇、春風亭小朝らが出演します。さらに親交のあった毒蝮三太夫やテリー伊藤、初代の大ファンだった関根勤らが日替わりでゲスト出演し、対談を予定しています。2代目三平は、初代がやっていたアコーディオンの伴奏で歌も歌うリズム落語に挑戦するそうです。2代目は、初代の享年と同じ54歳になりました。初代が重ねることができなかった55歳、56歳、57歳、そして60歳となった時に2代目はどんな高座を見せてくれるのか。2代目の挑戦にも注目したいと思います。【林尚之】

2代目・林家三平(17年撮影)
2代目・林家三平(17年撮影)