役者志向が強かったというファーストサマーウイカが、水を得たようにモンスター役を怪演している。

念願の一軒家を手に入れた会社員の伊原(ジャニーズWEST重岡大毅)は、息子春翔(正垣湊都)に小さなウソをついてしまう。「トカゲのしっぽを埋めて呪文を唱えると体が生えて生き返るんだ」。信じた息子は交通事故死した母美雪(ウイカ)の指を庭に埋め、呪文を唱え続けて…。伊原にひそかに思いを寄せていたのが元同僚で今はWEB動画のディレクターをしている比呂子(橋本環奈)で、よみがえったモンスター美雪に逆恨み的な攻撃を受けることになる。

中田秀夫監督は「リング」のビデオカセットのように比呂子のカメラを恐怖のツールとしてうまく使っている。平凡な主婦だったはずの美雪が、なぜ桁外れの霊パワーを持つに至ったのかを、「貞子」の背景のように、スリリングな謎解きにして引き込んでいく。

貞子ファンを自認するウイカの多彩な動きが、橋本、重岡という若手巧者の恐怖顔や苦悩顔と相まって、これぞホラー映画の醍醐味(だいごみ)となっている。中でも生き霊パターンのウイカが一番怖かった。【相原斎】

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