落語家桂文枝(73)が21日、大阪市内で「字幕」落語会を開催した。外国人や聴覚障害者に、お笑いを楽しんでもらうためモニターに日本語と英語を表示した。6月の東京公演に続く第2弾。「宿題」「別れ話は突然に…」の2席を披露した。

 新たな試みに文枝は「4年後の東京五輪では海外からの観光客にも落語を楽しんでほしい」と意気込んだ。

 字幕は事前に台本から制作しつつ、落語のまくらのアドリブにも対応した。「宿題」では小学生の息子が通う塾から出される算数の宿題に、四苦八苦するサラリーマンの奮闘ぶりを熱演した。舞台の最後に文枝は「先にモニターに表示される字幕を見てお客さんが笑っている。これは難しい」と課題を口にした。

 「普段の落語会のネタは何度も作りかえていく。字幕落語はネタを完全に覚えて“冷凍”する必要がある」。独特の表現で、字幕表示とタイミングを合わせながら進行するのは至難の業と明かした。

 2020年東京五輪では海外からの多くの観光客が訪れることが予想される。4年後、字幕落語へ「いらっしゃい!」を目指す文枝は「もっともっと勉強したい」と話した。