俳優砂川啓介(さがわ・けいすけ)さん(本名山下啓一=やました・けいいち)が11日午前4時10分、尿管がんのため都内の病院で亡くなっていたことが18日、分かった。80歳だった。砂川さんはアニメ「ドラえもん」の声で知られる妻大山のぶ代(83)の認知症を公表し、介護していた。

 砂川さんと60年来の友人の毒蝮三太夫(81)は「本当につらかったと思う」としのんだ。今年3月に友人のライブに出演した砂川さんと会ったという。「具合が悪そうで、『抗がん剤治療がつらいんだ。やめたい』と話していた」。通夜に出席したが、喪主である大山の姿はなかったという。

 老人ホームに入った大山を見舞いに行く話もあったが、砂川さんは「僕のことは分かるけれど、あなたのことは分からないと思う」と話したという。砂川さんはがん治療を受けながら、大山のことを最後まで気に掛けていたという。「要介護4の彼女を介護しながらで、いろいろな病気を抱えてしまった。老老介護の悲劇だよね。悔しいよ」とつらそうに話した。