演歌歌手小林幸子(63)が12日、新潟県長岡市山古志地域(旧山古志村)の水田で、地元主婦や山古志小児童らと脱穀を行った。

 「小林幸子田」と名付けられた水田は、8月18日に多臓器不全のために死去した長島忠美元衆院議員(享年66)が小林に提供したもの。長島氏は04年の中越地震発生時に同村の村長で、住民避難や災害復旧に尽力。幸子田の田植えや稲刈りにも何度も参加をしてきた。

 長島氏の死去時、海外にいた小林はこの日、田んぼに向かう途中で長島宅を訪れ、遺影にそっと手を合わせた。そこで「復興のシンボルとしての米作りはずっとやっていく」と誓い、久子夫人(65)も「夫の遺志なので一緒にやっていきましょう」と応じたという。

 脱穀前には児童たちと一緒に黙とうをささげ、「天国から長島村長が見てくれている。一生懸命に作業をしましょう」と呼び掛けた。

 米作りは地震からの復興を願って06年にスタート。今では山古志小の授業の一環として、すっかり地域に溶け込んでいる。12回目を迎えた今年は約500平方メートルの水田から約240キロのコシヒカリが収穫される。

 今年6月に田植えを行った際はNGT48の荻野由桂(18)ら3人が参加した。「ずっと手伝いたい」と話していたが、今回はNGTメンバー全員のスケジュールが合わずに不参加だった。「第9回AKB48選抜総選挙」の速報で1位になった荻野に、小林は「総選挙で1位になったら、紅白で使った巨大衣装『メガ幸子』をプレゼントする」と公約していたが、最終結果は5位。「残念だけどよく頑張った」と激励をし、「『メガ幸子』を取られなくて良かった。違うところでホッとしている」と笑わせた。

 12月6日には約1年半ぶりに新曲「存在証明」を発売する。NHK紅白歌合戦の生放送がある大みそかの“存在証明”は何かと聞かれると「期待していてください」と笑顔で話した。